ただ春を待つ

ビル風に流され族

「ここからはじめよう!」 ラブライブ!サンシャイン!!6話(まで)の感想

 最後まで終わるまで、色々ウダウダと感想とか考察みたいなものとか語るしゃらくさいやつにはならないぞ!と思っていたのですが、6話見てこれはもう堪えられない!と思うくらい拗らせてしまったので。それに6話までで一区切りな感じだし。

はい。6話時点でめっちゃ好きですね。好きです。

6話の話に入る前に、それまでの感想とか。

 

監督の違い。作品の違い。

いきなり他作品の話で申し訳ないです。6月28日放映分のプリパラ102話、京極尚彦さんが絵コンテ・演出をされています。この話数みて頂けたら理解して頂けると思うのですが、これめちゃくちゃラブライブ!にコンテから演出から寄せているんですよね。恣意的に。

それで、その数日後に放送されたサンシャイン!!を見ると、あーこれ自分が直観的に本能的に、これラブライブ!だ!と感じる部分は、かなりの部分が京極さんの画作りとか、間のとり方に由来してるなあと思ったのです。言語化できないのですが。要するに、サンシャイン!!では全く感じることができない部分。京極さんは居ないから当然です。

この点に関しては、当然ですが、なんでだよ!!とかそんな気持ちにはならず、まあ、別の作品だよね。と逆にさっぱりとした気持ちでサンシャイン!!に臨むきっかけになりました。あとは正直ライブシーンに関しても、京極さんの派手で説得力のある映像がどうしようもなく好きです。(これもまた言語化できない)

とはいえ、毎週毎週、説得力を必要とされる場面でライブシーンの演出をしなければならない環境で鍛えられた京極さんに敵うひとは正直おらんよ(完全な好み)と、割り切れていたおかげで、ライブシーンへの期待値は無駄には高くなく、『青空Jumping Heart』の映像を見た時は素直にいいなーと思えたのです。

 

また、千歌ちゃんの「やりたいかどうかだよ!」に象徴される数々のメッセージからは、かなりの「ラブライブ!」”っぽさ”があるな、と思います。ここで「ラブライブ!」だ!と断言できないのは、前述した、直感的・本能的な部分が自分にとって、アニメとしての「ラブライブ!」の原風景になってるから。

それと、サンシャイン!!はラブライブ!の名を冠しているし、そういうメッセージが含まれるのは、まあ、当然だよね、という目で見ていたりしました。いや勿論、そこに関してはいいなあ、とは思うけれど、自分が前作に惹かれたのはそこじゃなくて、色々な要因が偶然に有機的に重なった結果の拗らせ具合だったので。

 

でもサンシャイン!!は田舎のロケーションをガンガン活かしたエモーショナルな情景と女学生のキャラクター、あと百合にかなりコミットしていて、なんというか、好き!って感じだったのです。見ていて「"光と色彩"が人の感情を巻き起こす」という言葉を思い出しました。おそらくこれが酒井さんのカラーなのでしょうけど、とても好みです。拗らせてない純粋な部分だけなら前作よりも好きな作品になるかも~~~、なんて。6話見るまでは思っていました。

 

「ここには何もない」

そこで今回の6話「PVを作ろう!」です。今までで一番好きな話数でした。
キャラクターみんな魅力的だし、挿入歌の『夢で夜空を照らしたい』は曲も素敵だし、PVもめっちゃ情緒的でいい…好き…。なんて。いつもどおり。

 

もう既に感傷的になっていたんですが、ラストでの「ここには何もない」という千歌ちゃんの発言。
これに否応なく引き込まれました。

 

…千歌ちゃんはここには何もなくて、自分は何よりも普通で、そんな自分はここで一生を生きるのか…?何もせずに?と普段から焦っていたんだと思います。1話から一貫していたことではありますが、「ここには何もない」という発言で、それがはっきりとクリアになりました。幼馴染として、バリバリ飛び込みで活躍して、きっと世界に羽ばたいてるだろう(アニメではちょっと不明ですが)曜ちゃんが存在していたおかげで、その焦りはとても強いものになっていたことでしょう。

 

輝けるものを持っていて、とても広い世界のなかで生きている曜ちゃんと、狭い田舎で、ただ何もせず生きている自分、その差から抱くコンプレックス。そこから生まれる焦りから、千歌ちゃんは、このままじゃ駄目だ普通で一生終わる!と、色々なことに手を付けて、どれも空回りで。ただただ藻掻いていました。でも上手くいかなかったのは、なりたい自分、なりたい姿が漠然としか、イメージできてなかったんじゃないかな、と思います。だから、これまでは続かなくて。


冒頭の廃校が通達されて千歌ちゃんが喜んでしまう気持ち、すごいわかってしまうんです。きっと千歌ちゃんが、スクールアイドルをやっていなければ、何か新しいことが起こるんじゃないか!?と統廃合に対して、更に期待していたかもしれません。だって「ここには何もない」し、新しい環境になれば、なにか変わるかもしれない。何もしない普通怪獣は外からの刺激に頼るしかありません。


そこでたまたま出逢ったスクールアイドルμ's。自分と同じような女子高生がとてもキラキラ輝いていて。自分も輝いたらなにか見えてくるかもしれない!と、ここで始めて千歌ちゃんは、"具体的"に「なりたい自分」をイメージできたのはないでしょうか。自分はそう思っています。

 

でも千歌ちゃんが空回りしがちなのは変わっていません。1話でも2話でも3話でも、4話はどうだったかな…?5話でもこの6話でも何か空回って、失敗したりしています。しかし、今回は一緒に頑張って、失敗も支えてくれる仲間がいて、協力してくれる内浦の人達もいて。そこで千歌ちゃんは気づいたわけです。

「ここには何もないと思っていた、でも違うんだ」
「ここから始めよう!」

はい、はい大好きです。このシーンがナンバーワン。

なんとなくこんなことを考えているのかな、という思いを再確認し、その更に上を行き、一歩踏み込んだ「ここには何もない」という発言、でも「違うんだ、ここからはじめよう」
ここで全部が繋がった気がして。これまでの話数の千歌さんの発言・行動全ての強度が増したような気がして。

 

こう、「ここには何もない」から色々思いを巡らせて、自分と勝手に重ねてる部分もあります。
でも、ただの視聴者・参加者としてアニメでもなんでも消費する時はその作品に関して、客観的にここがどうすごいかとか尊いとかひたすら述べるよりも、主観的に自分がその作品でどう動かされたか拗らせちゃったかのが大事だよね、と思っているので、と弁護しておきます。許してね。

 

廃校が通達される部分で、正直、結局廃校するの!?と思ったりしたんです。廃校とか関係なく「輝きたい!」んじゃないの?とか一瞬思って。でもそれはその通りで、別に変わりないんですよね。

スクールアイドルはあくまで輝くための手段であって、それで結果的に廃校が阻止されようが、廃校しようがやることは変わりないんです。輝くんです。前作では現実的な問題に対抗するための手段として、スクールアイドルを始めて、後からスクールアイドルをやりたい理由・感情を見つけました。前作で一番好きなシーンは劇場版の「楽しかったから…!」です。

サンシャイン!!では、あくまで輝きたくて、先に行った人が見た景色を見てみたい、っていう感情に突き動かされていて。そこがとてもいいな、と思います。感情はいい。

 

かなり面倒くさそうな3年生の関係みたいに、現時点で作中で明示されているテーマ以外にも、じゃあ輝くって…?とか、ここ密かに爆弾セットされてない…?みたいな色々気になる部分があります。サンシャイン!!の中でこういう話してほしいな、と思うところはたくさんあって、それ全部がカバーされるとは思っていません。でもこの話が見れてよかった…!と心から思えるようなものが、これから一つでも見ることができれば、とても嬉しいし、期待しています。