ただ春を待つ

いろいろなもの

私たちはアイドルタイムプリパラ2nd seasonの世界に生きている。

先日、プリパラ&キラッとプリ☆チャンAUTUMN LIVE TOUR 2019が開催されましたね。私は大阪公演にだけ参加したのですが、とても素晴らしいライブでした。そこで感じたことがあり、ここに書き残しておきます。

結論から言うと、タイトルの通りで。私たちはアイドルタイムプリパラ2nd seasonの世界に生きてるのではないか?という感覚を得ている話。

 

突然ですが、「ガールズ ラジオ デイズ」という現在展開されているコンテンツをご存知でしょうか?

「ガールズ ラジオ デイズ」(ガルラジ)は、
地方で暮らすごく普通の女の子たちが、ふとしたきっかけでラジオ番組を自主運営することになる——。
そんな彼女たちの日常と番組制作に悪戦苦闘する姿を描いた青春物語です。
愛知県・岡崎、静岡県富士川山梨県・双葉、石川県・徳光、三重県・御在所と、
実在する5つの高速道路のサービスエリアが、彼女たちの拠点=スタジオ。 garuradi.jp

 非実在キャラクターたちの日々や、今まさに青春を生きる彼女たちの心の揺れ動き、地方への思い・東京への憧れ、進路への葛藤…などなどが実際のネットラジオの形で届けられる、という唯一無二のコンテンツです。現在2ndシーズンに突入し、いよいよ9月30日から最終回に突入していく、といったところ。

このガールズ・ラジオ・デイズ(とりわけ2ndシーズン)では作品世界が現実世界と同じ歩幅で進んでいきます。ラジオは二週間に一度放送されるのですが、ガルラジ世界の彼女たちも二週間の時を確かに生きているのです。しかし、この"二週間"に彼女たちに発生したことを私たちは直接知ることができません。ラジオの放送で直接語られたり、あるいは、ラジオの語り口から判断・想像するしかないのです。現状、他に情報を得られる手段はないので。このリアルタイム性と、神の視点になることを許さない方式が作品の実在感をこれ以上なく高めており、私たちはガルラジのキャラクターたちと同じ世界に生きているのではないか?そうして、自分もガルラジの一人のリスナーとして存在しているのだなあ…という錯覚を抱くに至ります。

 

 いきなり何の話?と思われるかもしれませんが、この神の視点になることができない状況って、現在の私たちとアイドルタイムプリパラの関係に近しいな、と思ったのです。そして、それはよりアイドルタイムプリパラ世界の中に存在できることだとも。

 

 プリパラの世界にはメインキャラクターたちと、メインキャラクターと親交のあるサブのキャラクターたち、そして親交はないけどライブは見にくるモブのキャラクターたちが居ますよね。ここで一つ質問です。果たして、モブキャラクターたちはメインキャラクターたちの細かいバックグラウンドまで詳しく知っているのでしょうか?例えば、ノンシュガー漂流記でノンシュガー三人の間で何が繰り広げられたか、知っているモブはいるでしょうか?

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かわいい

いや、いないでしょう。いたらストーカーになってしまう。モブのキャラクターたちは基本的に、なんかライブに行ったら新曲が披露されたりしていた、という事態に遭遇しまくるはずです。あいだに積み立てられた文脈なんて知ったこっちゃなく、なんか仲良くなったんだな~とか、曲なり、ライブパフォーマンスなりで想像するしかない。そこで気になるのはリアルライブにおいて、プリパラアイドルとして扱われていたオタク=私たちは、プリパラという作品世界の中でどんな立ち位置として存在していたのか?ということです。アニメを見ることができる私たちは神の視点を持ち合わせてしまっています。だからこそ、作中のキャラクターに置き換えて考えようとしても、どんな立ち位置に立っても齟齬が生じていたのです。

 しかし、現在のアイドルタイムプリパラ2nd seasonの展開はどうでしょう?昨年の合同オータムライブで突然ノンシュガーの新曲が披露され、そこから続々と新曲が披露されていく流れがプリパラフレンドシップツアーの間は続きました。アイドルが新曲を獲得し披露するまでの文脈を何も知らないまま、私たちは新曲を受容していきます。これって、作中のモブキャラクターの境遇そのものなのでは?ということに思い至ったのです。

 

例えば、メイクマニー・メイクドリームの歌詞・力強さを増したしゅうか様のパフォーマンス、そこから私たちは、トモダチが出来てますます努力し、強くなっていったしゅうか様に思いを馳せることができます。エヴァーゴールドのユニット結成の儀が開かれていたことを考えると、何か三人でライブできない事情があるのかな?ということにも思いを馳せることができます。でもあくまで私たちにできるのは思いを馳せることだけなんですよね。この状態、まさに作中のモブキャラクターそのものじゃないですか。

 

ライブで新曲が披露され、それそのものに思い思いの感想を抱く、この営みがまさにアイドルタイムプリパラの世界に生きているということではないか?と感じているのです。メイクマニー・メイクドリームやピュア・ハート・カレンダーはアイドルタイムプリパラ一年目のあとからの、確かな時間の経過を感じますよね。あれから彼女たちはたしかに時が進んでいるし、同じ時が進む世界で私たちは同じ世界に存在している。そんな気持ちになれるのです。

 

自分が同じ世界を生きている、という実感もそうなのですが、彼女たちも確実に生きて前に進んでいる、そんな実感を得られるのがなかなか嬉しい。今こうして、彼女たちと同じ時間を過ごしているこの時がとても貴重なものに思えてきます。これは、リアルタイムで彼女たちの活動を追っている私たちにしか得られないときめきです。

 

ところでプリチャンではこうはいきません。プリチャンは"日常"が配信されていて、作中のキャラクターも間に積み重なった文脈に触れることができます。リングマリィなんて、馴れ初めから結成、ライブまですべてあけっぴろげですし、彼女たちに興味があるなら、その情報を得られます。だからまあ、アニメをみてライブに参加するだけで、そこそこ作品世界に近づくことができる気がしますね。関係ないですが、先日の大阪公演では7画面モニターでステージ上の桃山みらいを見つめる虹ノ咲だいあさんムーブをしていました、楽しいです。

 

今の私たちは神の視点に立てないモブキャラクターである、という考え方をすると、作品世界に存在できている気がして楽しいよ、という話でした。

 

garuradi.jp

 興味が湧いたら、アーカイブもあるので、聴いてみてね。