ただ春を待つ

いろいろなもの

ラブライブ!The School Idol Movieの公開直後の感想(を今になってまとめるやつ)

 この文章はラブライブ! The School Idol Movieの公開初日の6月13日、翌日の幕張でのファンミーティング2日目と2期11話の再放送を経た、6月15日に感情のままに書いた感想文をなるべく崩さずに、まとめたものです。この時は穂乃果ちゃんについてだけまとめるつもりだったので、劇場版全体への感想はなかったりします。

 今になって見ると……な部分もあったりなかったりですが、なるべく新鮮な気持ちを残しておこうと思います。

2015/12/05 書くだけ書いて放置してたのですが、色々ありそうなのでこれだけは先に。

--以下本文--


劇場版の穂乃果ちゃんがとっても可愛く魅力的で、良かったです。本当に。

 

 

この劇場版は主題として、穂乃果ちゃん、スクールアイドル・μ's、という2つがあると考えています。劇場版ラブライブ! においては、穂乃果ちゃんは様々な翻弄され、また悩まされます。その内容は大きく外部要因によるものと、穂乃果ちゃん自身の問題に分けられます。それがわかる点のひとつに、穂乃果ちゃんがNYではぐれ、謎のシンガーさんと出逢った場面があります。

(はぐれた時の不安そうな穂乃果さんと、謎のシンガー さんを見つけて、また歌を聴いてすごい拍手をする穂乃果ちゃんがとっってもかわいい、謎のシンガーさんの仕草も穂乃果ちゃんそのままで、大げさな身振りを ちょっと恥ずかしがってるように見えたのもとてもかわいい)

 

 

まず前提として、NYの時点ではμ'sは解散が決定していました。しかし穂乃果さんは謎のシンガーさんとの会話で「いろいろとわからなくなって、悩んだりしたこともあった。」という言葉を聴いて、すぐに「それで、どうしたんですか?」と真剣に問うています。

これは、μ'sが解散し、これから新しいグループになるのかどうなるのか、また第三回ラブライブ! がどうなるのか、モチベーションは? これからどんな気持ちで取り組むのか? など様々なことで悩んでいるのかな、と感じました。

それに対し、謎のシンガーさんは「簡単だったよ」と言います。何のために歌っているのか、考えてみたら、すぐだと。

 

その後、NYでのライブは成功、帰りの機内で穂乃果ちゃんはことりちゃんに対し、「ライブ楽しかったね!」と言います。

そこから日本に戻り、なんやかんやで最後のライブをやろう! という話になりますが、その時も穂乃果ちゃんは(何のために歌うのか?)ということで悩んでいます。もちろんこの時もμ'sは解散するという前提があり、その上で悩んでいました。

 

 

しかしここで、μ's を続けてくれないか? という話が舞い込み、そこから穂乃果ちゃんは更に悩まされます。
メンバーの間でもきっぱり辞めるって決めたんだから辞める! という人間と、これからに繋がるなら、あるいは申し訳ないから、ドームに立てるんだよ?(9人でいられるなら)などなどの理由で紛糾、意見がまとまらず、穂乃果ちゃん自身も答えを出せません。

その後、家に来た亜里沙に「楽しくないの?」と見抜かれ、「μ'sは楽しくあって欲しい」と伝えられたり、また、これからも活動を続けるアライズから、一緒に戦ったライバルとして、これからも続けて欲しいという思いを伝えられます。

NYライブの大成功から、一気に人から期待されるようになって、必要とされるようになって、様々な想いが穂乃果ちゃんにのしかかり、ついにある雨の日、穂乃果ちゃんは「もうわけわかんないよ!」と本音を吐き出し、続けた方が…という考えが頭をよぎります。

そんな穂乃果ちゃんの前に、再び謎のシンガーさんが現れます。家に上げるのには成功しませんでしたが、彼女は穂乃果ちゃんにこのように告げます。

「いつだって跳べる…あの頃のように!」

 


この言葉を受けとった穂乃果ちゃんは、ある答えにたどり着きます。

それは「限られた時間を精一杯輝くスクールアイドルが好き!」というμ'sへの答えと、高坂穂乃果自身の問題である「何のために歌うのか?」への答えです

恐らく、スクールアイドルμ'sに関して、「限られた時間を精一杯輝くスクールアイドルが好き!」という答えは、謎のシンガーさんとは関係なく、メンバーと同様にもともと考えていたことであると思います。それが、周囲の反応によって、歪められそうになっていたのだと。

それに対して、穂乃果ちゃん自身の問題である「何のために歌うのか?」ということに関しては一人で悩んでいたら、答えが出るまで時間が必要になるのかな、と 感じました。謎のシンガーさんの言葉で、映画冒頭のシーン、幼少時代を思い出すことで、近道に繋がったのかな、なんて。

それでは、何故跳べたのでしょうか? それは、穂乃果ちゃんが楽しかったから、ということに他ならない、と考えています。
また、NYライブの後にも、穂乃果ちゃんは「ライブ、楽しかったね」とことりちゃんに話していました。

「何故歌うのか?」あるいは、「どうして今まで頑張ってこれたのか?」その答えは、「最高に楽しかったから!」

 

 

1期から2期、劇場版まで続いた物語の中で、穂乃果ちゃんがスクールアイドルをやっているのは、歌うのが大好きで楽しいから、ということは繰り返し述べられてきました。それが答えということを穂乃果ちゃんは改めて認識します。

そして、スクールアイドルでなくなっても、穂乃果ちゃんは歌い続けます。歌うのが好きで、楽しいから。その答えが謎のシンガーさんであり、穂乃果ちゃんの一つの未来の形なのだと。

 

 

 

個人的に、劇場版で穂乃果ちゃんのことをクローズアップしてくれたことがとても嬉しいです。その上で、表情がころころ変わったり、身振りが大きかったり、穂乃果ちゃんの魅力がふんだんに盛り込まれていて、愛おしく、そして応援したくなりました。

謎のシンガーさんの存在も大好きです。穂乃果ちゃんが本当に歌うことが好きで楽しくて、きっとこれからも歌い続けるということ、それを実感させてくれる存在であり、また謎のシンガーさん自体も穂乃果ちゃんらしい仕草だったりをしていて、かわいいなあと感じました。また、まだ未来への可能性が無数にあって、大人になった彼女から見るときっと輝いている高校生の頃の穂乃果ちゃんに対して、こうしろああしろいうのでなく、必要最小限の言葉をかけること、それが自分という存在を信じている、ということを感じられて、とてもいいな、と思いました。

もうTVアニメから連なる世界の穂乃果ちゃんが見られないということはとても寂しいです。しかし、未来でも穂乃果ちゃんは歌い続けている、ということを知れたことで、前向きな気持ちになることができました。

 

 

 --本文ここまで--

文章を改めて眺めるまでは、公開直後の文章なんて、今見ると手を加えたい所だらけになりそうとか思っていましたが、思いの外そんなことはありませんでした。抜け落ちている視点はあるな〜〜とは感じますが。

 

 話し変わりますが、ラブライブ! のTVアニメ化発表時、私は(ちょっと遅くないかな…最後の花火かな…)と思っていました。実際にはやっぱりサンライズ!!! と手のひらを返しました。

 しかし、アニメ化の発表時、遅いな…と思うと同時に、TVアニメで知名度は一気に上がるだろうし、そしたらまあ、流行るだろう、となんとなく楽観視もしていました。今になって、当時の楽観視は、それだけラブライブ! というコンテンツの持つ力を感じていたのかな、と思っています。各所色々な方々が言って耳タコな話ですが、TVアニメ化が遅かったからこそ、下地が出来て、育っていたとかそういうやつです。

 そうやって育っていたラブライブ! だからこそ、TVアニメからつらなる物語の世界を、完全に、躊躇なく、続く色気もなく終わらせることができたのかな、と思います。終わらせると言っても勿論やってることは日々が一日一日過ぎて、卒業して、その先へ進む、という当たり前のことですが、その当たり前が大好きです。

きっと、こんなに幸せなアニメ作品ってこれから先、出会えないかもしれない

そう思わせてくれるTVシリーズ・劇場版でした。
制作に携わった方々には、感謝の気持ちしかありません。