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ただ春を待つ

ビル風に流され族

KING OF PRISM by PrettyRhythm:感想 しばらく経って

広まるプリズムの煌めき

1月9日の全国劇場公開からふたつき近く経ちました。

 

公開初日に観に行った時、結構座席が空いていて、これはヤバイ…と危機感を持ちました。

私もとにかく観てほしい…という勢いだけで前回のエントリを書いてしまいましたし、同じような気持ちのプリリズヤクザエリート、そしてスタッフ方の活動によって少しずつ口コミが浸透したのか、王様のブランチのミニシアターランキングで1位*1になり、さらに先日のバレンタインには初日の170%動員*2とプリズムの煌めきが全国に広まってきました。

あなたも観ているの!?という方が見ていたり、好きな作家さんが観ていたり、アニメのことに詳しいわけでもない友人が知っていたりと、ああ本当にこの作品の輪が広がっているんだなあと実感する日々が続いています。

 

今では公開当初は8館だった上映劇場数も3月5日で47館に。驚きです。

 

もう私の地方では通常の上映は終了してしまいました。バレンタイン上映や生誕祭上映など、特別上映はフットワーク良く行っていただけるのでとても有難い次第です。

ただ必死に、色々な人にこの作品を観てほしいと緊迫感を持っていた時期が過ぎた、

今の、今な気持ちで感想を書き留めておきたいと思います。

魅力的な新登場のキャラクター達と既存のキャラクター達

情報発表当時、プリティーリズム・レインボーライブのボーイズの新作ということで、オバレの3人を中心とした映画になるのかな?と思っていました。そんな所に大量の新キャラ投入。短い時間(総尺59分。新作が53分弱)でこの新キャラの数とは一体どうなるの…?というのが公開前の正直な気持ちです。

しかし、劇中では一人ひとりに割り当てられた時間はごくごく僅かなのの本っっっ当にどのキャラクターも魅力的に描かれていました。新キャラ、これまでのキャラクター関係なく。

例えば私は太刀花ユキノジョウさんがとりわけ好きなので彼の話になってしまうのですが、彼のオバレのショーを見る姿、エーデルローズ寮での登場シーン、浴場でのシン君への反応やレオへの応対、シン君の無限ハグ後の座り方、食堂での姿…そして何よりシン君のプリズムショーを見て駆け寄って行く時の笑顔などなどなど。一つ一つのシーンは短い、あるいは映っているだけですが、彼の個性が明確に表現され、伝わってくるんですよね。

これはユキノジョウさんだけでなく、他のキャラクターみんなに当てはまることです。

 

公開前に監督が仰っていた「一字一句無駄なセリフもカットもありません」という言葉はそのままズバリで、どのカットどのシーンにも意味が込められているのが伝わってきます。その全てを私が受け止められているかというと怪しいですけど。

そのように、新しく登場したキャラクターが短い時間のなかでしっかりとキャラ立ちをしていますが、これまでのキャラクターも新しい状況の中で生き生きとしています。彼らのこれからも当然気になります。そこでこのように思うわけです。 これまでのプリティーリズムのように、52話かけてこの子たちのこれからの物語をじっくり掘り下げてくれたらどれだけ面白いものを見せてくれるだろう、と。

 

 先程も述べたとおり、これだけ短い時間でそれぞれのキャラクターに愛着を湧かせ、それだけでなく、これからの彼らも見たい!と思わせるこの作品は本当に凄いなあと感じました。今思うと一体どうなるのか?というのは映画を見ても変わらなかったですね。含まれる意味は変わっていますが。

そんなこの作品の中で私が一番感動させられたのは一条シン君のプリズムショーでした。

ハチャメチャな映像と地に足着いた物語と説得力

 この映画が広まった一つの要因としてレポート漫画の拡散があるのかな、と思うわけです。ハチャメチャな映像ですごい世界に引きずり込まれて世界が輝いて見える!ということが漫画だとわかりやすく伝わりますし、興味を持ちやすいと思います。

実際その通りで、この映画は冒頭から最後まで、プリズムショーの異常な映像が洪水のごとく流されます。特に物語終盤、ローズパーティでのFlavorでオバレが星座になってからOver the Sunshine!の流れでは、何度観ても泣きながら笑って感動してしまいます。そして劇場から帰るときには「世界が輝いて見える!」だの「初めて出逢った時の気持ち思い出した!」という気持ちを抱いているわけです。

この感情はプリティーリズム・オーロラドリームのオーロラライジング ドリームを見た時に抱いたものとかなり似通っていて、一条シン君のプリズムショー中のシーンも含めて、ああやっぱり彼は…と思わされました。

ただこれだけ異常な映像を見ながら、結局何だったの?ともやもやした気持ちにならず、帰るときにすっきりと帰れるのは、ただ映像が異常なだけでなく、そこに地に足ついた物語があるからだ、と思っています。その物語はまだ完結はしていませんが、しっかりと筋は通っています。先が気になります。

 

そしてその物語を成立させているのが、この映画全体を通しての説得力です。

その説得力がこれ以上なく現れているのは、少し前で述べた、ローズパーティでのオバレの無期限活動休止宣言からの一連の流れです。ドームを満員の客で埋め、また窮地のエーデルローズをたった1組で支えるほどの絶大な人気を誇ったOver The Rainbowが無期限活動休止、コウジはハリウッドに渡るわヒロとカヅキもプリズムキングカップのために芸能活動を休止、観客としてはもう踏んだり蹴ったりの状態でFlavorのショーに入るわけです。そして、これまで紡いできた思い出を振り返りながら、コウジはハリウッドに向かい、オバレの活動は終わりました。客席からはサイリウムの光が消え失せ、その状況はまさしくエーデルローズは死んだ、と思うにふさわしいものでした。

で、まあ映画を観ている側としては「あーシン君がライブして皆を笑顔にするんですねー」とか思ってしまったわけです。まあ予想つくことですよね。

私はそこで同時に「シン君のライブで劇中の観客は笑顔に出来るかもしれないが、劇場で観ている私たち観客から見て、同じように笑顔になれるのだろうか…?」と思ってしまいました。劇中の観客は笑顔になっているのに私たちはそうでもない、という齟齬が生じるとそこから作品への冷めが生じてしまいます。そのようにならないためにはそのライブに相応の説得力が求められます。その説得力を得るのはとてもむずかしいことなのでは…と思っていました。

無人のステージにシン君があらわれて、観客が「もうどうでもいいよぉ…」と叫んでるのはとても現実感があります。いままで懸命に追っていたグループの突然のラストライブを見せつけられた所に、お前誰やねんって人間がいきなり登場してもお前誰やねん興味ないねんと思います。私だってそうなります。

そうやって少し穿った見方をしながらシン君のプリズムショーに望みました。結果、私はそんな穿った見方をしていたことを忘れ、ただただ感動していました。

そのプリズムショーの内容としては、プリズムショー演出の京極さんとCGディレクターである乙部さんの渾身の出来のものでした。シン君がキレキレでキラキラしていて、また合いの手を使った小気味よい演出があり、観ていて自然に楽しく、笑顔になってくるものでした。こればっかりは実際に映像を観ないと伝わらない部分があると思いますが、笑顔になるのは理屈じゃないんだな、これは確かに笑顔になるかも…と説得力を感じさせられるものでした。もともと京極尚彦さんのプリズムショー演出はとにかく説得力があることで定評がありましたし。その力を存分に見せつけられたな、という感想です。

そしてプリズムラッシュという聴いたことのない言葉も飛び出し、笑顔になりつつあったところであの屋上のシーンです。

 

「みなさんは覚えていますか 初めてプリズムショーに出逢った時の事を」

 

もう本当にずるいと思わされました。自分もどこかで忘れていた気持ちでした。こんなん説得力が高いというかもうそういう次元じゃないです。あの女児回想シーン、私はやはり春音あいらちゃんがれっつだーんすするシーン*3を否応なく思い浮かべました。少しさびしい気持ちになりましたが、後々もともとはあいらちゃんから始まる予定だった、とお聞きして救われた気持ちでいます。

そのようにして初めての気持ちを思い出した状態で迎えるシン君のオーバーザサンシャインです。そりゃあもう笑顔になります。ヒロやカヅキ、劇中の観客・シン君に駆け寄るキャラクター達もみんな笑顔です。ここでの劇中のキャラクターとの感情のリンクは非常に高いものがあります。こんな経験、ほとんど出来ません。ここでの多幸感がこの作品の鑑賞後のすっきりと世界が輝いて見える気持ちにもつながっているのかなと私は思っています。

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冷静に綴ろうと思っていたのですが書いているとあれもこれも書きたい、と膨らんできてしまいました。まだまだ語りたいことは山のようにあり、きっと語りたいと気づけていないことも海のようにあるのでしょうが、現時点ではこのぐらいで。

完全に過去シリーズを観ている人間の感想なので、この映画が「ようこそ!」な方の印象とは今は違うかもしれませんが、もし興味があるならこれまでのTVシリーズを振り返っていただけると同じ気持になれるかもしれません。

とても素敵な作品でした。どうか続編があることを祈っています。

シンくんルヰくん誕生日おめでとうございます。